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研究員リレーコラム

新着コラム

誰が変える、誰が創る、地方政府

第2研究班

 地方分権一括法の施行から10年が経ちます。当時、国を中心に議論されてきた地方分権を、私たち地方公務員や地方議員は、どのように捉まえていたのでしょうか。今、あらためてそのことをしっかり考え、姿勢を立て直す時期だと思います。受身の地方分権論では、いつまで経っても目指すべき分権社会にはならないのではないかと思います。今日まで、地方分権改革推進委員会の勧告などにある「地方政府」という言葉に、具体的に反応した自治体や議会はどの位あるでしょうか。今、自治体等地域側の主体的な考え方に基づく対応も求められています。                                                                 私は、LORCの研究員として、大学とともに地域公共人材育成等の議論の場への参画機会を得て、新しい地域社会の自治のあり方や大学と地域の関係を考えてきました。その問題意識が、「地方政府」としての「二元代表制」の意味を問い直し、「政策研究」や「人材育成」に関する機能を充実させ、市も議会も、ともに、政策力を高めていく必要があると強く感じています。何より、意思決定をするために必要な調査や実践研究の成果をもとに、議論をする組織にならなければと考えます。そのような調査研究結果を議論の材料として、市民の方々と話し合い、より横断的で質が高く、成果が得られる事業や制度設計を図らなければなりません。このようなLORCで、話し合ったこと等も参考にしつつ、「地方政府」としての力量を高めるために、市内にある立命館大学等の知の集積も活かした「草津未来研究所」を、四月に設置いたしました。〔研究指導スタッフ4名、研究員3名〕 この研究所では、調査研究活動としてデーターバンク〔指標・分析〕、シンクタンク〔政策研究〕、そしてコンサルティング〔事業化支援〕という機能を持ちつつ、人材育成活動として大学と連携したトレーニング機能や教学連携をより進めるためのプラットフォーム機能も合わせ持ちたいと考えています。既に、研究所準備室段階から、草津市議会の自治体基本条例調査検討委員会への情報提供や学習の場づくりの支援をしています。ワークショップを中心に行っていますが、前回は、会津若松市議会の皆様〔8名〕と三時間におよぶ懇談会を行いました。LORCでも、議会改革プロジェクトとして議論を行っていますが、各市議会も、合議体としての議会づくりや議事機関としてのあるべき姿の議論が広まっています。草津市未来研究所は、LORCの活動と立命館大学BKCの展開からヒントを得つつ、本来自治体に必要な機能を「研究所」という形に特化させ、政策についての調査・研究をもとに、より議論をする組織となるべく、その一翼を担いたいと考えています。そして、政策研究等に基づく実践から市民が主権の「地方政府」としての自立と自律を自らのものとして、地域経営が行われるべきだとあらためて感じているところです。

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2010.05.01

若手研究者育成機関としてのLORC

第1研究班

 LORCとのつながりは、第1フェーズ時代にリサーチ・アシスタントとして採用していただいたことから始まります。現在の職場に異動後も引き続き研究員として参加させていただき、学外での研究活動の機会を与えていただいています。なかなか現在の職場では研究時間の確保が困難で、研究と教育に加えて子育てとの間で時間のやりくりや優先順位の付け方などで迷いや悩むことも多く、「やりたい!」「やらなければ!!」と日々思うことがあっても、できないことが多いのも現実です。                                          現在は、英国の自然環境保全とコミュニティ形成について調査研究を行っています。特に英国の環境NPO Wildlife Trustsが実践している自然保護の新しいビジョンLiving Landscapeに注目しています。Living Landscapeは『生物多様性』をキーワードに多様な生物が存在し生息できる空間を創造するために、今までのように部分的に保護地域をつくるのではなく、人が居住する地域も含めて保全し、保護地域をつなげるというものです。『生物多様性』が地域の自然豊かな生活空間づくりの指標になっており、英国政府も注目しています。                                                                    英国では、「持続可能な社会」の実現に向けて、環境分野のみならずさまざまな分野で、NPOや地域住民、行政、地元企業などの対等なパートナーシップによる政策立案・実践を進めており、「地域主権」や「協働」の実践を模索する現在の日本に貴重な情報を提供してくれています。LORCが、設立当初から英国をはじめ海外の先進事例に着目し、その検証と発信を通して、我が国が抱える課題に素早く対応し社会に貢献することを目指して研究活動を進めていることを改めて実感しました。                                  英国での研究を始めたきっかけはリサーチ・アシスタント時代の経験、人脈が大きなものとなっています。LORCとの出会いが私自身の研究の視野を広げました。LORCは若手研究者の育成にも力をいれておられ、これまでに何人もの若手研究者がLORCから巣立ち、現在も優秀な若手研究者がLORCのプロジェクトを支えています。LORC自身が人材を育成し、輩出していると感じています。                          私の研究成果がLORCの研究成果につながるように、微力ながらもお役に立てればと思っています。

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2010.05.01

志は高く、眼差しは低く

第2研究班

 昨年12月までは、きょうとNPOセンターの事務局長としてLORCの研究員を務めておりましたが、4月から龍谷大学法学部に赴任することになりました。今後もよろしくお願いします。 このLORCに関わって8年目。多くの議論は、NPOの現場で活動してきた私にとって刺激的なものでした。たまに「?」な議論もありますが、現場は目の前の課題解決や業務に追われ、なかなか実践をもとに理論化したり、位置づけたりという作業ができません。そんな中、LORCの研究員として様々な議論や発表の機会を得られたことは、現場を抱えているということもあり、物理的な制約を調整していく部分では大変苦労しましたが、それ以上に自身の思考や実践を整理し、今後の方向性を考える上で大変刺激的で有益な場でした。 そして、LORCの成果の一つの結実として、龍谷大学では2011年4月に政策学部が誕生する予定です。私も政策学部の一員となる予定ですが、LORCで議論してきた「地域公共人材」を教育・研究の両面から引き続きアプローチし、LORCの特徴でもある実践の現場と共に悩み、考え、行動する姿勢はいつまでも教員として大切にしていきたいと思っています。また、個人の業績よりチームとしての研究成果を優先させ、かつそれらが社会還元され、社会変革を導いていくことに大きな力点と喜びを感じている諸先生方と一緒に新たなチームをつくれるということに、大きな期待を抱いています。 今、改めて政治の世界も「新しい公共」と題し、「地域」や「公共」や「NPO」に注目をはじめました。それ自体は大いに歓迎すべきだと思っています。しかし、制度論だけでそれらを語り、整理してしまっては、市民社会は成熟していきません。そういった動きに積極的にコミットしながらも、それだけに「からめとられない」市民側の議論と行動が求められていると考えています。いま、LORCで議論と実践が始まろうとしている議会改革を支えるプログラム開発などはそういった視点でも大変重要なことだと思っています。これからも「志は高く、眼差しは低く」頑張っていきたいと思います。

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2010.04.01

英国からみたLORC研究の意義

第1研究班

 私はイギリス研究を始めて30年ほどになります。LORCには最初から参加させてもらい、イギリスでの公共政策改革や市民社会セクターの育成策、さらに最近では地域人材育成の視点から、イギリスの資格認証制度についての研究を行っています。 確かにLORCが対象とする「持続可能な発展」「パートナーシップ」「地域ガバナンス」「地域人材育成」などは、世界各国共通の政策テーマになった観があります。しかし、同じような言葉を使い、同じ目標に向かっていても、各国のアプローチはかなり異なります。   例えばイギリスの場合ですと、いくつもの対抗軸の中から新しい政策モデルが生まれてきます。労働党と保守党という政治的な対抗軸に加えて、中央集権と地域主義、官僚的規制と自由市場、あるいは公共の担い手としての行政と市民社会という対抗軸も存在します。そうした対抗軸をできるだけ増やすのがイギリス流です。最近「マス・ローカリズム(mass localism)」が注目されるようになりましたが、これは地域主義、自由市場、そして市民社会にシフトした政策モデルになっています。 今回訪問したアメリカのポートランドでは、徹底的な市民主権が実践され、それを政治や行政がサポートするシステムが成果を上げていました。多数の「プロフェッショナル活動家」や「プロフェッショナル市民」が存在し、彼らが政策決定システムの中に構造化されている。市民主権の可能性とともに、市民がそこまでやれることに驚くばかりでした。 世界共通の大きな流れを肌で感じ、各国の固有の取り組みを理解し、そこから日本独自のモデルを開発し、実験する。そうした研究スタイルがLORCの魅力だと思いますし、今後のさらなる進化を期待しています。

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2009.12.01

意識改革から行動改革へ

第3研究班

 今行政で「協働」を携わる業務を担当していて、感じることがある。「協働」という言葉が行政のはやり言葉のように用いられ、本来の意味から言えば、住民との意識の乖離が大きくなっているような気がする。確かに理解しづらい言葉かもしれない「共同」や「協同」と混同し、理解が得られないのも事実である。 協働の実現にはよく「行政と住民の意識改革が必要」ということを耳にするが、これこそが乖離の原因ではなかろうか。意識の改革も確かに必要だが、それだけでは協働の実現はありえない。十分な議論と「行動改革」が一番大事であると考える。 現在LORC研究員として、亀岡市をフィールドに「カーボンマイナスプロジェクト」として、CO2削減を目指す新しい農山村活性化モデルケースづくりに参加させていただいている。間伐材や放置竹林などの地域の未利用バイオマスを燃やさず、炭にして農業に利用すれば、炭素が隔離できて、結果的にCO2の削減が可能となる。しかも、国内排出権取引が可能となれば、都市部から農村部へ資金が流れ込む。CO2を削減しながら農山村経済が回る新たな仕組みを構築しようというのが、このプロジェクトである。 複数の大学・研究機関、自治会、農事組合法人、行政が共通のミッションに向かって熱く議論し、その中でそれぞれの役割分担が築かれていくプロセスがある。議論の中から住民自らの新たな夢のような企画・提案が出る。行動が変わる。そして何よりも「笑顔」がある。 これまで個人的にも地域づくりに携わってきたが、多くのアクターの関わりを繋ぐ潤滑油になるのが私の役目である。そして、「協働」のモデルケースをつくりたいと考えている。

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2009.09.01

芸ができなければ潮時か?

第2研究班

 昔ある上司に可愛がってもらいました。元海軍大尉で“梅は咲いたか、桜はまだかいな---”の都々逸に合わせて時に華麗な踊りを見せてくれました。戦艦大和に乗っていたこともあり、いろいろあったんだなと思いました。 私は「地域」に関心があり、ささやかながらこれまで追求してきて、1998年に早期退職して市民と行政をつなぐNPOを立ち上げながら2000年に挫折しました。人を恨んでも詮無い、改めて第2の人生を歩もうと思い、大学にも1から社会人入学し、龍谷大学(院)にもお世話になりました。  その一方、関係していた奈良を主としていくつかのNPOの理事となり、02年には(社)奈良まちづくりセンターの理事長になりました。とはいいながら、まちづくりNPOの経営は昨今の経済情勢を受けて厳しいですね。なかなか新しい課題に挑戦できず、もっとリーダーシップを発揮せよと叱られています。手が広がりすぎて肩書きだけはたくさんあるのですが、LORCにも03年から研究員として関係しています。   最近では、奈良市の「市民参画及び協働によるまちづくり条例検討委員会」に委員として参画してこの4月に提言し、6月議会で可決されました。有識者による「奈良観光の魅力を高める景観づくりに関する研究会」にも参画して同じく6月に提言を発表しました。 また、平城遷都1300年の2010年には奈良まちづくりセンターとしてもイベントを考えており、その一環として4月に韓国・ソウルなどの伝統的な韓屋を視察してきました。  NPOの究極のミッションは社会変革であり、地域でNPO活動が更に広がり、多様な主体と協働しながら力を付けていく必要があります。そのためにも「地域公共人材」の養成と活躍は重要なテーマであり、体力・気力・智力の衰えを感じるこの頃ですが、いま少し(?)頑張っていきます。

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2009.07.01

LORC「オープン・リサーチ・センター」の意味

第1研究班

 龍谷大学地域人材・公共政策開発システム・オープン・リサーチ・センターの活動には2003年に始まるフェーズ1から参加をさせていただいてきました。行政研究、特に地方自治や地方制度に関心を持っていたこともあり、特に参加・協働型の地域公共政策開発やそのための人的基盤のあり方を探求しようという研究の主旨に共感して、及ばずながらこれまで共同研究を続けてきました。   この研究に参加させていただいて、つくづくありがたいと思ったことがいくつかありました。それは、調査研究の先駆性やその広がりと深さ、それらがもたらす知的な興味関心というところはもちろんですが、もう一つ重要だと感じたのは、「オープン」という文字通り開かれた調査研究という基本的なところでした。今更ということもあるかもしれませんが、理論と実践、社会科学系と自然科学系、地域と大学、さまざまな壁や溝を乗り越えようという努力が、LORCの長い名前の中に込められていました。   海外も含めた地域公共政策の現場や地方自治体職員との交流と協働の実践は、実に多様な経験と貴重な刺激をいただきました。また不十分かもしれませんが、研究の中で生み出してきたものをいくばくかは地域にお返しすることができたのではないかと思っています。とはいえ、こうしたLORCのフェーズ1の研究からは、当初の研究課題を解決し実践に活かすという意味では不十分なところもありました。フェーズ2では、地域公共政策を担う具体的な人材の育成や、地域と大学との戦略的連携などの次の課題が明らかになっています。   私自身がこれらの調査研究とその実践においてどこまで貢献できるのかは不確かです。しかし、龍谷大学の外側から参加しているという戦略的位置を活かして、専門分野からの究明を続けると共に、熱意を持ったアウトサイダーとしてLORCの諸研究に参加することで、相互に大きな成果を得られればと考えています。

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2009.06.01

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