Research Centre for the Local Public Human Resources and Policy Development(LORC)

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【LORC】グリーンリカバリー研究ユニット(龍大学生気候会議)の研究会が開催されました

2023.08.10

日 時:2023年8月10日(木)AM10:00- 11:30
方 法:ZOOMによるオンライン
参加者(以下、敬称略):大島堅一、黒部一隆、斎藤文彦、清水万由子、的場信敬、村田和代、横田岳人

これまでの学生気候会議の概要について的場研究員から説明がありました。

学生気候会議は大学の気候ガバナンスに学生がいかに参加できるかが要点。
気候会議そのものは市民サイドの意見を顕在化させ、気候ガバナンスに反映させるツールであり、手法自体はあたらしいものではないが新しい形の民主的な正統性の確保手段であることに関心を持っている。

2022年度の開催主体は、龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター (LORC)と龍谷大学学生団体「OC’s(Opportunities and Choices for Students:オックス)」の共催となった。OC’sは、第1回(2021年度)の龍大学生気候会議の参加 者有志が、気候変動対策に自身で貢献するために新たに立ち上げた団体であり、この団体の誕生が、この2年間の取り組みの最大の成果であると考えている。

1回目は気候変動問題に対する参加学生への教育的要素、対話プロセスを通した主体性の涵養と担い手の育成がメインの目的であり、大学(や社会)への提言作成は副次的なものだった。
2回目は本来の意義である「気候ガバナンスへの直接的関与」を意識し、「2039年までのゼロカーボンユニバーシティの実現」を宣言した大学の気候変動対策に学生目線での提言を行うことに主眼をおいた。

募集方法はキャンパス内でのポスター掲示、全教員へのチラシ配布、全学部全学生(短大除く)のうち、無作為抽出の20%に案内メールを送信した。
その結果、8学部から21名が参加した。このうち無作為抽出メールによる参加者は6名、グループワークのファシリテーションを担う 「OC’s」の学生メンバーは7名だった。

議論テーマは下記の3つ。
・「大学のハード面での脱炭素化」:建物・エネルギー・食・交通をサブテーマとして設定
・「人材育成における大学の役割」
・「伏見エリアの脱炭素化における大学の役割」

内容面の特徴としては、アイスブレイクも兼ねて遊びながら学べる「カードゲーム2050カーボンニュートラル」や講義や議論の要点が絵と文章で模造紙1枚にまとめて描かれる「ファシリテーション・グラフィック」を取り入れたこと。
構成として3つのテーマの講義パートとその後のグループワークを交互に設定することで議論疲れ、聞き疲れの防止、リフレッシュ要素を取り入れた。
アウトプットとして、グループワークからの提言、個人の意見集約結果の2つがある。従来の気候会議では、個人へのアンケート結果のみで市民の意見を収集するが、チームとして意見をまとめていくことの重要さと難しさの体験も重視した。
入澤学長と深尾副学長も参加したほか、京都市脱炭素先行地域の取り組みで龍大、伏見エリアが重点地区と設定されている関係で京都市エネルギー政策部長、エネルギー企画係長を講師として招聘した。

今後の展開として、今年8月3日に学長への提言書を提出した。
「龍大学生気候会議」を大学の取り組みとして、大学の気候ガバナンスの中に位置付ける(構造化する)ことを提言し、今年度から、大学本体の予算で気候会議を実施予定である。また気候会議が契機となり、大学の気候ガバナンスを担う新たな組織の立ち上げの検討が開始されている。

的場研究員の説明を受け、大学における気候会議の位置づけ、学生の関わり方、瀬田キャンパスでの開催の可能性、第3回となる今年の気候会議の内容などについて質疑応答、意見交換が行われました。