Research Centre for the Local Public Human Resources and Policy Development(LORC)

地域公共人材・政策開発リサーチセンター

ホーム 研究 地域公共人材・政策開発リサーチセンター > News > Well-being研究ユニットの研究会を開催しました

Well-being研究ユニットの研究会を開催しました

2023.07.09

Well-being研究ユニットによる「風土とお酒」に関する研究会が7月5日(水)に開催されました。Well-being研究ユニットでは、地域の風土を形成しうるコンテンツとしての「酒」に着目し、昨年度からは奄美大島の「黒糖焼酎」をとりわけ研究対象としてきました。本研究会では「黒糖焼酎飲もうでぃ!」を主宰し、その魅力を伝える“黒糖焼酎エヴァンジェリスト”として活動される前田秀樹氏をお招きしました。

日本の酒税法によれば、糖類を原料とした製造は焼酎として認められませんが、一方でサトウキビを原料とする黒糖焼酎は奄美群島(奄美大島を含む5島)においてのみ製造が許されています。その背景には、奄美群島の複雑な歴史的経緯が関連していました。

第二次世界大戦後、沖縄と同様アメリカ軍の統治下となった奄美は、それまで国が買い取っていた黒糖を使用した蒸留酒が製造されるようになります。その後奄美群島は本土に復帰しますが、黒糖を使った蒸留酒は酒税法によって税率の高い「スピリッツ」に分類されてしまいます。これを受けて政府へ陳情を行い、特例として米麹を使用することを条件に、また黒糖を原材料とする焼酎は奄美群島においてのみ認められました。

近年奄美の特産品としての黒糖焼酎は評価が高まっており、例えば「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」では2020年から3年連続で焼酎部門での最高位を獲得しています。一方で奄美群島外への流通は少なく、「飲んでもらえさえすれば美味しいことが伝わる」と評す前田さんは、2年前に一念発起し、黒糖焼酎を広めることを生業としました。現在は「黒糖焼酎飲もうでぃ!」の屋号で六甲山麓のカフェや大阪を中心に間借りでの営業を展開中です。

Well-being研究ユニットでは、複雑な背景から製造地域を限定された黒糖焼酎はある種の強力な地域アイデンティティが発現、そして風土を形成しうるコンテンツとして位置付け、地酒が持つ地域を変革しうる力について研究していく予定です。