【LORC】包摂的発展研究ユニットの研究会が開催されました
2024.02.28
日時:2024年 2月5日(月)15:00-
場所:龍谷大学深草キャンパス和顔館4階会議室2
講師:加藤伸吾(慶應義塾大学経済学部・専任講師)、上野貴彦(都留文科大学文学部・専任講師)
講演の概略①
○21世紀のスペインにおける社会運動と政党の動向紹介/加藤伸吾
加藤氏からの発表は、①スペイン現代史の概略、②21世紀初頭の社会運動の焦点、③スペイン政党システムの変動の三部から構成され、特に②21世紀初頭の社会運動の焦点では、スペイン内戦に端を発する歴史的記憶問題、移民送出国から受け入れ国への転換の状況、ジェンダーテーマの取り扱われ方の変遷、リーマンショック以降の反エリート・反緊縮政策への転換、バスク地域とカタルーニャの独立運動からみた地域と中央のナショナリズムの状況を整理いただきました。
講演の概略②
○多様な住民の包摂と歴史的記憶の連関:スペインにおけるバルセロナ空襲の記憶を問い直す 現地在住イタリア人を例に/上野貴彦
上野氏からは、①1938年3月に起きたイタリアからの大都市に対する世界最初期の絨毯爆撃であるバルセロナ空襲とは何がったのか、②バルセロナ空襲の記憶はなぜ2000年代後半まで十分に思い起こされなかったか、③そして、こんにちのスペイン/カタルーニャ/バルセロナにおける政治・社会的「包摂」と、戦争・独裁記憶の想起や再審を目指す多様な住民による都市社会運動の関係に着目し、越境的な空襲記憶の想起・訴訟運動はいかに展開したか、が報告されました。